今回の映画はこちら!!
【サヨナラまでの30分】
出演:新田真剣佑、北村匠海、久保田紗友、葉山奨之、上杉柊平、清原翔、牧瀬里穂、筒井道隆ほか
以下ネタバレあり
【ざっくりストーリー】
内気な青年の前に事故で死んだバンドマンの幽霊が現れて、
カセットテープを再生している30分だけ体が入れ替わる
【感想】
事故死した人気バンドのボーカル・アキ
内気で就職活動失敗続きの颯太
生前アキが使っていたカセットテープを颯太が拾うところから
物語が始まります。
カセットテープが再生している30分だけ体が入れ替わる。
入れ替わるというより、魂が体の外に追い出されると言った方が正しいのでしょうか。
魂が体の外から見つめている場面が多かったですし。
内気キャラの颯太が陽キャ全開になり、かつてのバンドメンバーの元を訪ねて
もう一度バンドやろうと呼び掛けていきます。
いきなり知らない人が来て、自分は事故死した友人だと言われても
信じられないしちょっと怖いですね。
でも、強引なアキに颯太もメンバーも振り回されつつ仲間になっていくところは
良かったです。
ライブ中や楽器を演奏するとき、それをどちらかの魂が見つめている場面。
アキはもう死んでしまっているから颯太のようにバンドメンバーと交流することができない
颯太は一人でひっそりと音楽を楽しんでいたからアキのようにステージの上で堂々と歌うことができない。
お互いに「自分に出来ないこと」を体の外から見つめるシーンは情感たっぷりです。
特に、颯太主導でスタンドバイミーを演奏するシーンが好きです。
「アイツら、俺がいないと何にもできない」と言っていたのに
自分がいなくてもバンドが成り立っている姿を見つめるアキの姿がなんとも言えない哀愁があります。
そのあとの「俺のバンドだからな」の言い方がまた淋しいです。
アキの記憶が上書きされてアキの存在が消えかけているときの最後の入れ替わり。
入れ替わりのタイミングが絶妙すぎですね。
アキの最期と颯太の覚悟がクロスしてあの力強い歌声になったのでしょう。
アキが選んだ結末が良かったのかどうかは分かりませんが、
颯太やほかのバンドメンバーがフェス後どのように過ごしていくのか、
いつか本当のことを話すのか、想像すると面白いですね。
ジャンル:青春
公開: 2020年
監督:萩原健太郎
脚本:大島里美