夏は夜。千年前から美しいと言われていた夏のホタル。
夕日が燦燦と降り注ぐ黄昏時を超えじんわり暗くなる頃、
一番星を合図にちらちらと淡い光が現れます。
せせらぎの音だけが響く静謐な空間で、ぼんやり現れすっと消える光。
多く飛びちがいたったり、ひとつふたつなどほのかにうち光ったり。
街灯もなく街の光が届かない山の中腹、ひと夏の恋がひっそりと燃えていました。
ホタルを追って空を見上げれば、淡い光と満天の光が重なって、夜空に星が一つ増えました。
億単位で生きる星とは違い、今生まれた新しい星の寿命は刹那。
それでも、本当の星に負けないくらいの純美さがありました。
残念ながらこの美しさを写真に残すカメラテクニックは持ち合わせていないので
その分しっかりと覚えておこう。