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【映画の話】思い、思われ、ふり、ふられ【ネタバレあり】

今回の映画はこちら!!

【思い、思われ、ふり、ふられ】

 

 

出演:浜辺美波、北村匠海、福本莉子、赤楚衛二、上村海成、三船海斗、古川雄輝、戸田菜穂 他

 

以下ネタバレあり

 

 

【ざっくりストーリー】

 

高校生男女4人の青春恋愛すれ違いこじらせ群像劇

 

【感想】

 

美しい映像と音楽でメインの4人のそれぞれ揺らぎを繊細に表現しています。

 

好きな人が一番近くに居るのに、想いを伝えてはいけない”理央”

周りのことを考えすぎて全てを分かった上で自分の素直な気持ちが伝えられなかった”朱里”

自分に自信が無くて告白する勇気がない”由奈”

好きな人に告白されたのに嘘をついて断った”和臣”

 

 

登場人物の心の声が多く、それぞれがそれぞれのことを思って優しい嘘をついたり、

素直に伝えなかったりして複雑にすれ違っていく様に、

なんとも言えないもどかしさを感じます。

誰も悪くないのに前半(夏くらいまで)はうまくいかなくて、

見ていてはがゆい思いをしました。

 

 

そんな状況を抜け出そうと一歩踏み出した由奈の勇気。

由奈の告白から足踏みしてた状況が一気に動きだしたように思います。

じれったい環境に間違った行動に出てしまった理央をちゃんと叱ってくれて、序盤からの成長がすごいです。

 

 

劇中は、桜から梅雨、夏祭り、文化祭、クリスマス、そして冬の終わり。

それぞれの季節の風景とそれぞれの人物の気持ちの移り変わりを美しく描いています。

(理央と由奈の文化祭の紙吹雪と、朱里と和臣のクリスマスの背中合わせは特にきれいだった)

 

好きなシーンはたくさんありますが、

一番好きなのは朱里が和臣にプレゼントする下駄箱のシーン。

おそらく、和臣が家族に大切なものを処分させられたとき、

朱里に渡そうと思っていたものも含まれていたと思います。

朱里に渡せなかったものを朱里からプレゼントしてもらう。

無くしたものはまた集めればいい、これが最初の1枚。

和臣同様涙が止まらない名場面です。

 

 

 

高校生が主役の青春恋愛映画って、

高校生でなくても成立する話も多くあります。

親が全く出てこなくて(都合よく海外出張など行ってて)、

子供だけで話が進んでいく映画も思い浮かぶだけでもたくさんあります。

でも、この映画は高校生でないと成立しない話だと思います。

 

高校生という身分ではどうにもならない家庭の事情に振り回されて

おとぎ話のようにハッピーエンドで終わりではなく、

そこから時間や人生はずっと続いていて、将来のことで色々悩んで。 

悪い人はいないけれど厳しい現実もあります。

 

メインの4人が素晴らしいのはもちろん、

クラスメイトの”我妻君”や朱里の元カレ”亮介”のような出番の少ないサブキャラたち

もナイスアシストしてくれたと思います。

(このナイスアシストがなければ話が前に進まなかった)

 

劇中の言葉で【みんなが幸せになる方法があればいい】というのがありますが

本当に、登場人物全員に幸せになってほしいと思う、ちょっと苦くて優しい映画です。

 

ジャンル:青春 恋愛

公開:2020年

監督:三木孝浩

脚本:米内山陽子、三木孝浩